玉座がある【正殿】。手前の広場【御庭(うなー)】は冊封などの重要な式典が行なわれた場所です。
那覇市首里当蔵(とうのくら)町にある城跡。
歴代琉球国王の居城であり、1879(明治12)年の廃藩置県以前の約500年間、琉球王国の政治・経済・文化の中心として機能しました。現在は周辺の史跡を含めた「首里城公園」として整備・公開されています。(一部有料)
うねるようなカーブを描く琉球特有の石組みの城壁や、赤瓦(あかがーら)と朱漆の塗装で彩られた「赤い城」など、全体的に日本の城のイメージとは趣きを異にします。かつての琉球王国は日中両属と呼ばれる複雑な立場で両国の影響を強く受けていました。城内の随所に「日本的」と「中国的」なものが混在し、同時に南国的なおおらかさと絢爛な王国文化を感じさせる首里城は、まさに琉球の歴史と文化が凝縮された城と言えます。
首里城はその歴史的・文化的価値を認められ、2000(平成12)年12月に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の1つとして他8つの関連グスク・遺物とともに世界遺産に登録。同年に行なわれた九州・沖縄サミットの夕食会場として使用されたことでも注目を浴びました。
歴史
創建は14世紀頃とも言われますがはっきりしません。初めて琉球に統一国家を作った尚巴志の時代(15世紀初頭)からは王宮として整備・使用されていたことが分かっています。その後代を重ねるごとに外郭や周辺施設が拡充され、4度の焼失と再建を経て現在見える首里城になったとされています。
首里城は第一尚氏7代と第二尚氏19代あわせて26人の国王の居城となり、約500年の長い歴史を見続けました。しかし1879年に琉球処分が断行され、琉球王国は沖縄県となります。最後の国王となった尚泰は、同年3月に首里城を明け渡しました。
城の復元
戦前の首里城は失火等より3回焼失・再建されています。先の沖縄戦においても首里城は集中砲火を浴びて灰燼に帰しましたが、1986(昭和61)年に国費での復元が閣議決定され、沖縄の本土復帰20周年にあたる1992(平成4)年に正殿など主要部分が完成し、周辺の龍潭や
玉陵と共に「首里城公園」として一般公開されました。現在の首里城は1712年に再建され、戦前まで残っていた建物をモデルに復元されたものです。
首里城の見どころ
【歓会(かんかい)門】首里城の正門。門の左右を石獅子が守っています。別名「歓へ御門(あまへうじょう)」
【龍樋(りゅうひ)】城内に湧き出る清水。周りのたくさんの石碑には、歴代冊封使がこの水を飲み、賞賛した言葉が刻まれています。
【万国津梁(ばんこくしんりょう)の鐘】1458年に鋳造され、首里城に掛けられていた鐘のレプリカ。(本物は県立博物館所蔵)刻まれた碑文が貿易国家としての栄えた琉球を表す名文として有名。
【正殿】せり出した中央部は「唐破風(からはふ)」と呼ばれる日本建築の様式で、建物前に巡らされた石高欄は中国様式。階段下にそびえる一対の龍柱(りゅうちゅう)は他には見られない琉球独自の造形です。
正殿に向かって左手にある【北殿】。冊封使の歓待のために建てられ、普段は王府の役人が執務を行なっていた建物。(現在、内部は展示スペースと売店になっています。)
正殿に向かって右手にある【南殿】。この建物だけ朱色ではありません。主に薩摩の役人の接待や日本式の儀式を行った建物。(現在、内部は展示スペースになっています。)
【御差床(うさすか)】正殿二階にある国王の椅子。漆、螺鈿、金箔などで豪華に装飾されています。
施設情報
(2012年12月時点)
入館料
※奉神門より奥(正殿、御庭、南殿、北殿)のみ入館料が必要です。
※車椅子での見学にも対応。
■一般 大人800円・高校生600円・小中学生300円・6歳未満無料
■団体(20名以上) 大人640円・高校生480円・小中学生240円・6歳未満無料
■年間パスポート 大人1600円・高校生1200円・小中学生600円
開館時間
※入館券の販売は閉館30分前で終了。
■4月〜6月 8:30〜19:00
■7月〜9月 8:30〜20:00
■10月〜11月 8:30〜19:00
■12月〜3月 8:30〜18:00
休館日
毎年7月の第1水曜日とその翌日
アクセス
路線バス
■市内線1・17番、市外線46番…【首里城公園入口】で下車。徒歩5分。
■首里城下町線8番…【首里城前】で下車。徒歩1分。
■市内線9・13番、市外線25・97番…【山川】で下車。徒歩15分。
ゆいレール(モノレール)
儀保(ぎぼ)駅または首里駅(※終点)で下車。徒歩15分。
駐車場
首里杜(すいむい)館(※レストセンター)地下に駐車場があり、空きがあれば入口の係員が誘導してくれます。
首里杜館駐車場の利用料金は1回につき 小型車310円/大型車(バス等)940円
付近に民営の駐車場・コインパークもいくつかあります。
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