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識名園

更新日 2012.09.26
しきなえん

園池を中心に設計された庭園

【別名】南苑

那覇市識名の高台にある庭園。王家の別邸として18世紀末頃に造られ、冊封使の歓待などに使われた琉球随一の庭園です。
2つの中島が浮かぶ園池を中心に、御殿建築、築山、果樹園、樹林などが配され、それらを結ぶ園路をゆっくりと廻って観賞する「廻遊式(かいゆうしき)庭園」となっています。これは江戸時代の大名庭園と共通する形式ですが、その中に中国様式の石橋や六角堂が配され、園内や果樹園の亜熱帯植物が花を添えることで、独特の琉球庭園の雰囲気を醸し出しています。
沖縄戦で大部分が破壊されてしまいましたが、のちに復元され、現在那覇市が管理しています。近年は、識名園の伝統的な雰囲気の中で挙げる琉球結婚式も行われます。

国指定名勝(1941)※戦前
国指定名勝(1976.1)※戦後復元され、再び指定
国指定特別名勝(2000.3.30)
世界遺産登録(2000.12.2)※「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の1つとして、他8つの関連グスク・遺物とともに世界遺産登録されました。

観覧ポイント


育徳泉(いくとくせん)


正門から石畳道をゆるやかに下った場所にある泉。豊かな湧き水は園池の水源の1つとなっており、泉を囲む優美な石積みも見所です。
近くには冊封使が題した育徳泉を讃える碑文が建っています。向かって右は尚温王の冊封正使・趙文楷の「育徳泉碑」(1800年)。左は尚育王の冊封正使・林鴻年の「甘醴延齢碑」(1838年)です。
ここは天然記念物の紅藻類「シマチズジノリ」が発見された泉としても有名。(現在はシマチズジノリは見られないとのこと。)
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育徳泉の碑文

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「相方積み」の石積み

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イモリが泳ぐきれいな湧水。水質は弱アルカリ性で、石灰岩地特有の高硬度の水。



御殿(ウドゥン)


赤瓦の木造建築で、往時の上流階級だけに許された格式ある建物(15もの部屋があるそうです)。軒は強い日光を遮り、景色をゆったり楽しめるように、民家風の雨端(アマハジ)が設けられています。こうした工夫から、品格を持ちつつ寛げる空間を意識した「琉球の美」を感じられる建物ではないでしょうか。
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御殿



石橋


園池の中に大小2つのアーチ型の石橋が架けられています。いずれも中央が高くなった中国風のデザインです。
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大小2つのアーチ橋

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大きい方の石橋



六角堂


池に浮かぶ小島に作られた中国風の東屋です。
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六角堂



勧耕台


庭園南側の一段高くなった場所に「勧耕台」があります。その昔、この場所からは南部の豊かな農作地帯が一望でき、意外な事に海は全く見えなかったそうです。こうして中国から来た冊封使に対しても、出来る限り国土を大きく、豊かに見せようと工夫したものと言われています。

施設情報


※2012年8月現在

観覧料


・大人 (16歳以上)一般¥300 団体(20人以上)¥240
・小人(中学生以下) 一般¥100 団体(20人以上)¥80
・保護者が同伴する小学校就学前の小人は無料

休園日


水曜日
※その日が休日及び慰霊の日に当たる場合はその翌日
※その他臨時休園日

入園時間


4月縲怩X月 9:00縲・7:30
10月縲怩R月 9:00縲・7:00

交通手段


バス 市内線:那覇バス  2番(識名開南線)・3番(松川新都心線)・5番(識名
牧志線)「識名園前」バス停下車、徒歩で約5分。

問合せ先


識名園管理事務所 098-855-5936
那覇市教育委員会文化財課 098-891-3501

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