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ヤギ料理

更新日 2012.09.26
やぎりょうり

ヤギ汁。

ヤギは方言でヒージャー[沖]、ピンザ[宮]、ヒンジャ[奄]などと呼び、沖縄では昔から豚と並んでよく食べられてきた家畜です。昔、ヤギと豚は各家庭で飼育し、特別なお祝いなどの時につぶして食べていたそうですが、現代でもヤギに関してはあまり事情は変わっていません。どこでもヤギを飼っている訳ではありませんが、少し田舎に行けば小さなヤギ小屋や、空き地で放し飼いされているヤギをよく目にします。何か祝い事や節目の行事があるときに、親戚や地域単位でヤギをつぶし、食べる習慣は健在です。(ヤギの屠殺・解体は業者が請け負ってくれます)また、ヤギはスタミナ食材なので、特に肉体労働系の男性に好まれており、ヤギ料理とお酒が飲める専門店も多数あります。

代表的なヤギ料理


ヤギ刺し


新鮮なヤギ肉を生で食べる刺身は、ヤギの食べ方としてはかなりポピュラーなもの。加熱した料理に比べてクセが少なく、ヤギ初心者にもお勧めの料理です。ヤギ好きの人も大好きな料理です。
刺身はこりこりした食感の皮と、やわらかい赤身を一緒に食べます。大抵たっぷりのおろしショウガを溶いた酢醤油でいただきます。
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赤身と皮のバランスの良い美味しそうなヤギ刺し。



山羊汁


沖縄のスタミナ郷土料理の代表。骨つきのヤギ肉、ヤギの中身(モツ)、血を固めたものなどが具材になっています。他の具材や味付けはほとんどなく、最後に塩で味を整える程度です。好みでヨモギやショウガを臭み消しとして加えて頂きます。濃厚なヤギの風味と栄養が味わえます。
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フーチバーたっぷりのヤギ汁。



チーイリチャー


ヤギの血の炒め物です。「血」はヤギの血を冷蔵庫で冷やし固めたもので、レバーのように切って具材とし、ヤギの肉や中身(モツ)、タマナー(キャベツ)、人参などと一緒に炒めます。血はレバーのような食感と味ですが、それほどクセはなく、野菜とよく合いご飯がすすむ一品です。
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野菜たっぷりのヤギのチーイリチャー。



食材になる前のヤギ


沖縄でもヤギ肉はスーパー等ではほとんど売っていません。ヤギ料理店で購入するか、知り合いを通じて入手するのが一般的です。
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田舎によくあるヤギ小屋。1頭出てきていますが…このあと、ちゃんと自分で戻っていました。

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敷地内で放し飼いのヤギ。


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