義母の作った中身汁。下処理の仕方、ダシ、具材の違いで、各家庭の味があります。
「中身のシームン(吸い物)」ともいう。
「中身」(「中味」と表記する場合も)は豚の大腸・小腸(・胃袋)のことで、椎茸・コンニャクなどと一緒に、鰹と豚の合わせダシで味付けしたお吸い物です。器に盛ってから、おろし生姜を添えていただきます。
初めて見る人は、そのストレートなネーミング&ビジュアルに驚かれるかもしれませんが、味はごく上品で美味なので、勇気を出して食べてみることをお勧めします。ただ、中身の下処理が不十分だと臭みが残るので、ハズレもあるかもしれませんが…。
おいしい中身汁を作るには
中身汁はとても手間ひまのかかる料理です。材料の「中身」はある程度下処理された状態で売られていますが、そこから更に臭み・余計な油を完璧に取り除くことが重要です。
臭みを除き、食感を柔らかくするために?小麦粉・油・塩・シークヮサーの絞り汁などを使って中身を何度ももみ洗いし ?たっぷりのお湯で数時間茹でる といった下処理を各家庭で行います。元々は臭みの強い食材なのに、丁寧に下処理された中身はまったくクセが無く、ほのかな甘みがあります。
沖縄では「作った人のティーアンラ(手の油)が料理を美味しくする」つまり、手間ひまを惜しまない事が料理の秘訣だと言われまが、中身汁はその言葉を実感させられる一品です。
祝い料理の定番?
沖縄では正月・その他祝い事の料理として定番、ということになっています。
ただ、同じ祝い料理の汁物に「イナムドゥチ」があり、地域や個人によってどちらを定番とするか違うようです。
時々論争になるので、「中身派」と「イナムドゥチ派」、それぞれに強いこだわりを感じます。
中身(中味)
「びーびー」は、豚の大腸・小腸のこと。柔らかい食感に仕上がります。
「まんちゃー」は、豚の大腸・小腸・胃袋のこと。胃袋は大腸・小腸に比べて歯ごたえがあります。