一部の葉が丸まって、白い裏側が見えていたノカラムシ。(中城城跡で撮影)
【方言名】ウーベー
イラクサ科の多年生植物。日本本土で繊維を取るために有史以前から栽培されてきたカラムシ(別名:苧麻(ちょま))の変異種と言われています。茎からとれる繊維が衣類や紙の原料として古来から利用されてきました。沖縄でも最も古い布の原料とされており、1372年には苧麻から織られた布を輸出品としていた記録があります(『中山世鑑』)。現在も宮古・八重山の上布(じょうふ)はノカラムシを原料として織られているそうです。
葉には細かい毛が密生しており、服にくっつく性質を利用して子供が遊んだりしています。葉の裏側は白く、強い風で裏返ると目立ちます。
刈り取られてもすぐに芽を出す植物で、現在はしつこい雑草として嫌われる場合もあります。ヤギの好物なので、餌としては今も重宝されているようです。