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イヌビワ(犬枇杷)

更新日 2012.10.20

(那覇市首里・金城ダム付近)

【方言名】イチャブ[奄]、アンマーチーチー[沖]、フツトゥラ[宮]、スタビ[八]
関東地方から琉球列島、朝鮮南部、台湾に分布するクワ科イチジク属の落葉小高木。雌雄異株。1.5?くらいの無花果※が枝先の方につき、雌株の無花果は黒紫色に熟すると食べることができます。無花果がまだ青く枝についている状態はビワの実と似ていますが、熟すとあまり似ていませんしビワほど美味しくもない。そのため「イヌ(人が食べない)ビワ」の名がついたようです。
落葉性で、葉はカサカサした紙のような感触です。若葉はイシガケチョウの食草になるとのこと。

※無花果(むかか)…丸い実(花嚢)の中で花を咲かせ、受粉するとそのまま果実になるもの。隠頭花序(いんとうかじょ)とも。花嚢に潜り込むハチ等が受粉を媒介しています。「無花果」はイチジクの漢字名でもあり、果物のイチジクは雌株の花嚢が熟したものです。

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(豊見城市・豊見城総合公園)

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枝や実から白い樹液が出てきます。これが方言の「アンマー(母)チーチー(乳)」の由来。

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無花果の中。


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