遠目にも目立つ赤いがく片がオヒルギの特徴です。タコウィンナーに似ています。(糸満市西崎親水公園で撮影)
【別名】アカバナヒルギ(赤花蛭木)
【方言名】ヒロギ[奄]、ウーピンギ、オプシキ[沖]、インギー[宮]、ビギピニキ[八]
マングローブ林の主要構成種で、ヒルギ科の常緑高木。東アフリカから中国、東南アジア、オーストラリア、ポリネシアに広く分布し、日本では奄美大島以南の河口干潟に自生しています。マングローブ林の中では最も内陸側に群生し、高さは10m程にもなります。マングローブの特徴である胎生種子(実が枝についたまま根を伸ばしたもの)を作ります。同じヒルギ科のメヒルギと比べ、この胎生種子の根が太くたくましいことから「雄ヒルギ」という名になったそうです。また、呼吸のための根を水面から多数伸ばしますが、この根は膝を曲げたような形をしているため屈曲膝根(くっきょくしっこん)と呼ばれています。
木材としては固く、建築用や杭として使われたり、良質な木炭になります。樹皮にはタンニンが多く含まれるため、漁網を染める染料としても活用されたそうです。