黒く熟したシマグワの実は甘くて美味しいです。赤い実はまだ渋いのでご用心。(北中城村大城で撮影)
【方言名】クワギ[奄]、クヮーギ、ナンデーシー[沖]、パンッギー[宮]、ナネーズ[八]、コンギ
屋久島以南と台湾、南中国などに分布する、クワ科の常緑中高木。日本本土に多いヤマグワの近似種。養蚕、食用、飼料、木材、堆肥など昔から多岐にわたって活用されてきた有用植物であること、そして熟した実が子供のおやつになることも、本土のクワと同じです。
公園や山の中には高さ数mになるシマグワの木がありますが、道路脇や空き地で人の背丈以下の若木を見かけることも多いです。葉っぱの形が木の成長過程によって変化するという特徴があります。(下記参照)
果実が食べられることは有名ですが、若葉もみそ汁などにして食べられます。「クワ」という名称の由来は、食べられる葉で「食葉(くわ)」、または蚕が食べる葉「蚕葉(こは)」からきたのではないかと言われています。
養蚕といえば、沖縄では久米島の伝統的な絹織物「久米島紬」が有名です。
葉の形状の変化
シマグワの葉は長さ5縲・5?程度でフチにギザギザがあります。若い木の葉は深い切れこみがありますが、木が生長するにつれ切れ込みがなくなり、卵形の葉になります。形状に関わらず、新芽はやわらかく食用になります。
大きく切れ込みが入っている若いシマグワの葉。(北中城村大城で撮影)
切れ込みのないタマゴ型のシマグワの葉。(那覇市泉崎で撮影)
その他の写真
市街地の植え込みに生えていたシマグワ。おそらく自生。(那覇市泉崎で撮影)