中村家売店に置かれていた、色とりどりのゲットウの実。お客さんに無料で差し上げているのだそうです。(北中城村大城で撮影)
【方言名】サンニン・ムーチーガーサ
ショウガ科の多年草。山野に自生し、家庭で栽培される場合も多い。4月から6月にかけて白いつぼみを房状につけ、房の上から順に甘い香りの花を咲かせます。葉は長さ40?から60?くらいになる長楕円形で、表面はつるつるで、独特の爽やかな芳香があります。蘭に似た花も、秋頃に色づく橙色の実もどちらも可憐ですが、見た目以上にその効能で昔から親しまれている植物かもしれません。
用途
葉
・沖縄では昔から、独特の香りがあるゲットウの葉に餅を包んで蒸した「ムーチー」(カーサムーチー)が作られています。
旧暦12月8日には、このムーチーをお供えして家族の健康を祈願する行事(鬼餅)があります。
・昔は防虫のために乾燥させた葉をタンスに入れて利用したそうです。
・乾燥させた葉のハーブティー、アロマオイルやお香が多数販売されています。
・葉から抽出した成分に消臭・防虫などの効果があるため、近年様々な製品に利用されています。
茎
・ゲットウの茎を漉き込んだ「月桃紙」があります。
ゲットウの抗菌・防虫効果や吸湿性を活かした壁紙・襖紙・ふすま紙として利用されています。
また、独特の風合いを持った沖縄産の紙として、文具などにも使われています。
実(種)
・古くから胃健・整腸・咳止めなどの効能がある漢方薬として、薬や茶にして飲まれています。
橙色の実の割れ目から見えている黒っぽいものが月桃の種です。(北中城村安谷屋の若松公園で撮影)
写真
上から順序よく開く花。(うるま市石川で撮影)
ペリカンの口のようなゲットウの花。(那覇市牧志で撮影)
5月の瑞々しいゲットウの花。(うるま市石川で撮影)
(うるま市石川で撮影)
8月、まだ青いゲットウの実。(南城市玉城で撮影)
9月、橙色に色づいた月桃の実。(北中城村安谷屋の若松公園で撮影)